この尊敬語と謙譲語、ごちゃ混ぜに
日本語に尊敬語というのがあれば、謙譲語というのがあります。尊敬語というのは、相手に対して使う言葉、謙譲語というのは、自分のことをへりくだらせて言う言葉です。しかし、この尊敬語と謙譲語、ごちゃ混ぜになってしまうことも往々にしてあるようですね。 たとえば、大切なお客様に向かって、「先日の資料をご持参なさいましたか」といってしまうこともあるようです。これは、本来ならば「先日の資料をお持ちくださいましたか」というべきところです。「持参する」というのは、「持って伺う」という意味ですから、自分のことをへりくだっていうべき言葉なのです。 また、「お電話いたします」と言ってしまうことも多くあると思います。女性によく見られる現象です。これは本来ならば、「電話いたします」でよいのです。「お」をつけてしまうと、自分のことを尊敬して言っているように聞こえてしまいます。 ここで、尊敬語と謙譲語を対比してみたいと思います。「行く」の尊敬語は「いらっしゃる」、謙譲語は「伺う」。「来る」の尊敬語は「いらっしゃる・おいでになる・お越しになる」、謙譲語は「参る・参上する」。「見る」の尊敬語は「ご覧になる」、謙譲語は「拝見する」、「言う」の尊敬語は「おっしゃる」、謙譲語は「申す・申し上げる」、「知る」の尊敬語は「ご存知でいらっしゃる」、謙譲語は「存じ上げる」、「聞く」の尊敬語は「お聞きになる」、謙譲語は「伺う」となっています。このほかにも、たくさんの尊敬語、謙譲語がありますので、調べてみると「こういう言い方をするのか」と新たなる発見があります。それに、きちんとした尊敬語や謙譲語を使っていると、「あの人はきちんとした方だというよい評判にもつながります。